#81: フリーペーパー、家宅捜索、コーヒー

#81: フリーペーパー、家宅捜索、コーヒー

おはようございます。今週はどんな一週間でしたか?

今週ようやく、皆さんのもとへ最新号のStandart Japanの発送を開始することができました。早速、届いたよ!とSNSで知らせてくれる読者の皆さんの様子を拝見して、胸をなで下ろしているところです。まだ届いていないよという方、現在配送中ですので、今しばらくお待ちいただけると嬉しいです🙏

最新号と一緒に届くサンプルコーヒーは、ボリビアのエルボスケ農園のもの。農園主のアパタ・フロレンティーノさんからメッセージが届いているので、よかったらご覧になってみてくださいね。コーヒーに関する情報はこちらにまとめています。また、今回この豆を焙煎してくれた京都のKurasuさんが、おすすめの抽出レシピをご紹介してくれていますよ! ぜひ挑戦して、おいしい珈琲をいれてみてくださいね😉

今週末は、おいしいコーヒー片手にStandartのページをめくって、ゆっくりと楽しんでください。皆さんからのご感想、メールやSNSなどでお待ちしています。

それでは、本日も良い1日を!


編集長 Toshi

 

 

 

This Week in Coffee 
世界のコーヒーニュース

午前3時のコーヒータイム

コーヒーと睡眠の関係は、コーヒーラバーにとって気になる話題の一つ。ですが、ここで改めて考えたいのが、私たちの睡眠習慣そのものの多様性です。「午前3時にコーヒーを飲みに行きましょう」と題されたThe New York Timesのこちらの記事によると、なんと産業革命以前に一般的だった「分割睡眠」という睡眠習慣が、パンデミックを機に再び注目を集めているのだそうです。

分割睡眠とは、その名の通り睡眠時間を一度(連続睡眠)ではなく、複数回に分けて確保すること。数百年前の人々は日没頃から3〜4時間眠り、その後約1〜2時間を社会的交流や読書、軽食や子作りの時間に当てた後、再び3〜4時間の睡眠に戻ったといいます。産業革命以前は仕事の大半が自宅周辺で行われていたという背景からも、人々の睡眠は時計ではなく、夜と昼のリズムや季節の変化によって決まっていました。そして今日ではリモートワークの浸透(仕事場が家庭に戻ること)が、これまで連続睡眠のサイクル内で不眠症に苦しんでいた人々にとっての「睡眠の原点回帰」をもたらしたというわけです。ちなみに記事の中では、問題なく連続睡眠できている人が、あえて分割睡眠に移行することの危険性も指摘されています。

コーヒーブレイクの歴史を振り返っても、その背景には1日約8時間の勤務体系が存在していました。また今日の朝昼晩という食事サイクル、日中に眠くなる体質の”改善”が求められる風潮をはじめ、私たちの生活がいかに労働、ひいては時間という枠組みの中で規定されているのかが浮かび上がります。午前3時のコーヒータイムが日常の景色となるくらい、私たちはもっと自分にとっての最適なリズムを大切にしても良いのかもしれません。

 

その他の気になるニュース

▷ ウガンダが国際コーヒー協定(ICA)を正式に離脱。主要生産国としては2020年のグアテマラに継ぐ2か国目の脱退となります。その理由については、コーヒー価格の乱高下や気候変動、関税といった問題に対するICAの動きに不満を抱いているという報道も。

▷ ジャマイカ政府を中心に、EUにおけるジャマイカ産コーヒーの消費及び輸出促進を目指すイニシアチブが発足。主力商品であるブルーマウンテンコーヒーの約80%の生産を小規模農家が担っている点からも経済効果に期待が高まります。

▷ 「眠らない街」と言えばニューヨーク…ですがこちらのレポートによると、カフェの閉店時刻からで見た「世界で最も眠らない街」は、なんとエジプトの首都カイロだそう。平均閉店時刻は12:26amで、世界平均よりおよそ4時間も遅いのだとか。

▷ 台湾発のコーヒーメーカーSandbox Smartが、Kickstar上で家庭用スマート焙煎機「R2」の資金調達に成功。前モデル「R1」と同様に焙煎レシピの保存・共有が可能で、その上出力やバッチ量の改良も行われているとのこと。

▷ 家宅捜索中に敷地内にあったコーヒーを無断で持ち帰ったとして昨年7月に解雇された警察官が、警察本部との控訴審で勝訴しました。約1年間の反省を踏まえ、解雇ではなく書面での警告が最適だと判断されたとのこと。祝杯はやっぱりコーヒーですかね。

 

 

What We're Drinking
今週のコーヒー

 

MOUNT COFFEE
広島

マウントコーヒーは広島市内を走る路面電車、広島電鉄の高須駅から宮島街道を結ぶ「高須通り商店街」にあります。2014年、商店街の一角に、焙煎機を備えた豆売りのお店を構え、日々、焙煎を行なっています。商店街にある八百屋さんや花屋さんのように街の人々の日常に寄り添えるコーヒー屋を目指しています。コーヒー豆を販売しながら、そこから見えてくる色々を伝えていきたいと思っています。

生産者:ママ・アナスさんを中心とした約20名の生産者さん

生産地域:インドネシア フローレス島 バジャワ市 マンガライ・ティモール地域(地図

品種:ティピカ、レッドカツーラ、Sライン

精製方法:スマトラ式

テイスティングノート:優しい酸味にボディ感もあり、リンゴ、トリピカルフルーツ、アーシー、などなどインドネシアの持つさまざまな味わいが、それぞれの温度帯で感じられます。

編集長のコメント:

The Weekend Brew 3回目となるインドネシアのコーヒーですが、今回のフローレス島は初のテイスティングでした。焼け上がったばかりのパンのような香ばしく甘い香りがそそられる中深煎りのコーヒー。ビターな感じなのかなと思いつつすすったコーヒーは、とにかく柔らかい。トゲのない丸みを帯びた口当たりはベルベットを彷彿とさせ、口の中を優しくスルスルと撫でるように滑ります。よく熟れたマンゴーや100%プルーンジュースのような甘さとジューシーさで、なだらかな酸味が奥の方に見え隠れしていました。後味には烏龍茶のようなニュアンスも。中深煎りのどっしりとしたボディがあり、果実感をしっかりと感じる、親しみやすい素晴らしいコーヒーでした。
ちなみに、このコーヒー豆、MOUNT COFFEEさんの「コーヒーで世界を旅する」というコンセプトの定期便のコーヒーで、手書きのレポートや音声ガイドなどもついてきて面白いですよ。


Artists in Residence
Standartを彩るアーティストたち

アーティスト: 

中村 隆 ウェブサイトtumblr

プロフィール:

新潟県出身のイラストレーター。企業広告、ポスター、書籍、教科書、雑誌などを中心に活動中。これまでにHBファイルコンペ日下潤一賞、仲條正義特別賞、TIS公募銅賞などを受賞。

最新の掲載記事:

Standart Japan 第19号「ヒュッゲとフィーカが宿る場所」

 

Inspiration
おすすめの本、映画、音楽、アート

あなたを選んでくれるもの』ミランダ・ジュライ(岸本佐知子訳)

映画監督、脚本家、作家、パフォーマンスアーティストなど、多方面で活躍するミランダ・ジュライが手がけたノンフィクション・インタビュー集。当時映画の脚本に行き詰まった著者にとっての唯一息抜きは、毎週火曜日に郵便受けに届くフリーペーパーの『ペニーセイバー』を隅々まで読むこと。しかし『ペニーセイバー』の売買広告を読む内に無性にその背後にいる人々の存在が気になり始めた著者は、広告に記載された番号へと電話をかけ、ごく稀に了承してくれる広告主に対してインタビューを始めます。インターネットが普及した現代において、パソコンを持たず、フリーペーパーに売買広告を載せる人々とは、まさしく検索しても決して辿りつくことのできない「存在しない人たち」。そんな現実の間を生きる彼らへのインタビューを通じ、著者はインターネットにとらわれる中で失っていた「現実」を見出し、そして映画『ザ・フューチャー』の完成へと歩みを進めていきます。インタビュー集でありながら、同時に映画完成までのドキュメンタリーでもある本書は、著者の人生そのものに触れているような手触りに溢れた一冊です。映画で描かれる物語と本書に綴られる著者の心の動きの繊細な繋がりもたまりません。映画とセットで是非。



Brewing with…
あの人のコーヒーレシピ 

 

川島 崇嘉 かわしま たかよし

オーナー兼ロースター。福島県いわき市生まれ。大学卒業後アウトドアメーカー・モンベル入社後1年で退社。川越に移住し、高校の同級生と自転車屋台1台からCOFFEE POSTをスタート。現在は自転車屋台2台と1坪のコーヒースタンドで営業中。休日はキャンプにハマっている。

セットアップ:

抽出器具:Hario V60 01
豆量:浅煎り15g、深煎り17g
湯量:230g
挽き目:中細挽き
湯温:90℃
抽出時間:2:3
0

手順:

  1. 蒸らし30g
  2. 0'40になったら100gまで注ぐ
  3. 1'10になったら170g まで注ぐ
  4. 1'30になったら200gまで注ぐ
  5. 1'45になったら230gまで注ぐ
  6. 落とし切る

ポイント:

▷ 浅煎り:2.3湯目は全体の粉を動かすようにサーっとかける。4湯目で周りについた粉を落とし、5湯目は真ん中だけに優しく。
▷ 深煎り:2.3湯目はドームを崩さないように注ぐ。4.5湯目は真ん中だけに優しく注ぐ。

コメント:

焙煎はユニオン珈琲道楽(直火式)です。 シンプルで、ご自宅でも淹れてもらえるレシピを日々提案しています。 浅煎りは前半でフレーバーを引き出して、後半は優しくお湯に浸す形で甘さを引き出します。深煎りは苦みより甘さを感じるように抽出しすぎず、後半は真ん中だけに注いでいます。焙煎日からのエイジングが短い時(1週間以内)は3'00近くかけて抽出してあげています。


 

今週の The Weekend Brew はいかがでしたか?

今日のShoutout!は、最新号のコーヒーをとってもいい感じのムードでブリューしてくれた @yuji0924matsumotoさん。ありがとうございました!

バックナンバーを含め、The Weekend Brewの感想やコメントはぜひ #standartjapan のハッシュタグと共にシェアをお願いします! 質問はメールでお待ちしております。またお友達やご家族など、The Weekend Brew を一緒に楽しんでもらえそうな方にこのメールを転送していただけると嬉しいです。

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今週の The Weekend Brew は Standart Japan 第19号スポンサーのTYPICA、パートナーの Victoria Arduino x トーエイ工業カラベラコーヒーToddyのサポートでお届けしました。

LOVE & COFFEE✌️
Standart Japan
(執筆・編集:Takaya & Atsushi)